〜絵から引き出す子どもの観察力・思考力〜

絵の分析

 

■目標

・自分の意見を言うことに慣れる。

・日本語で考え、考えたことを発言する機会を設けることで、自主的に日本語を習得する力をつける。

・絵の中の情報を分析し、「なぜ?」の問いかけにこたえる

ことで論証力・観察力をつける。

・他人の意見を尊重し、また自分の意見を認めてもらうことで自信を育てる。

・意見は多様であることを知る。

 

 

 

 

まだまだ日本語が片言の子どもであっても、自分で考えたことの理由が言える機会が必要だと考えます。子どもの日本語力と同時に思考力を育てなければならないからです。そして実際に絵を使った授業をすることで、私たちは子どもが片言の日本語で豊かな発想力を示す場面に出会いました。子どもの日本語が片言の場合11でゆっくり話を聞くことが必要です。

しかし1枚の絵を選ぶことは、難しい問題でした。語彙が少ない子どもには、あまりにも問に答えようがない絵では、嫌になってしまいます。そして考えたことは子どもたちの日常生活に身近な場面を切り取った絵であれば、既に獲得した日本語の語彙を使って、なんらかの表現ができるのではないかという事です。また自分の問題として「どうしてそう思う?」と根拠を尋ねる問いに答えやすいのではないかと考えました。

今回の助成事業で、6枚の絵を作成しました。絵は以下のリンクから表示・ダウンロードできます。

絵1:兄弟げんか736KB)     絵2:病気730KB

絵3:雨が降っちゃった795KB)  絵4:歩きスマホ758KB

絵5:迷子897KB)        絵6:公園で798KB

 

参考図書:絵本で育てる情報分析力  三森ゆりか著 一声社

 

 

 

 

タイトル:遊んでいたら

 

 

問いかけ

    子どもたち

絵の全体を見る

・これは 何の絵かな?

(ぱっと見て)

・赤ちゃんがとっちゃった。

・お兄ちゃんがダメって言ってる。

・赤ちゃんが喜んでる。

(自分の家での話が続いたりする。)

 

 

大きな情報を見ていく(場所)

・ここはどこかな?

どうしてそう思うの?

・うち。子どもが3人しかいないから。

 学校だったら、沢山子どもがいる。

・うち。家族の写真があるから。

・うち。おもちゃ!!(おもちゃがあるからっていうこと? うんと頷く)

・うち 赤ちゃんがいるから。赤ちゃんのうち。

赤ちゃんのうちじゃなかったら、ここに赤ちゃんのお母さんがいる。

・高層マンション!! 木の上の方しか見えないから。

大きな情報を見ていく(季節)

・季節はいつかな?

どうしてそう思うの?

・秋!葉っぱが完全茶色だから。

・秋!葉っぱがほとんどないから。

・冬!葉っぱが茶色になっているから。

・秋!子どもが長袖を着てるから。

・冬!なんか 暖かい着るものがかかっているから。外から帰って、ここで遊んでる。

 

 

大きな情報を見ていく(時間)

・時間はいつかな?

朝?昼?夜?

どうしてそう思うの?

・昼の終わりくらい。外が暗くなってきているから。

・昼間。子どもが遊んでいるから。

・午後4時くらい。外の色が濃くなってきているから。

・夜!あのね、ママはね夜、これするから。(洗濯物を指さす

 

部分の情報を見ていく

・ここに誰がいるのかな?

どうしてそう思うの?

・子ども2人と赤ちゃんおもちゃで遊んでるから子ども

・この子と赤ちゃんが兄弟。写真に写っているから。この子は友達。

・この子たちは何をしているのかな?

どうしてそう思うの?

・プラレールで遊んでる。電車があるから。

・赤ちゃんがレールをとったから、お兄ちゃんが怒ってる。指さして返してって言ってる。

・お兄ちゃんは怒ってるけど、友達は怒れないで困ってる。困った顔をしているから。

・この子たちはどうなるかな?

どうしてそう思うの?

・ママが来る。「だめでしょー」って言う。ママはそういう。

・赤ちゃんにレールを返してもらう。

返してって言ってる。

再度絵の全体を見る

・これは何の絵かな?詳しく言える人?

・冬お兄ちゃんが、友達とプラレールで遊んでたら、赤ちゃんがとった。

 

 

 

 

絵から自分を考える

・みんなも家で、こんな事ある?

・赤ちゃんは、迷惑をかける。

(低学年ほど 色々話がある)

・ママが怒る。

 

 

 

 

 

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